ランニングのお話
ランニングやウォーキングなどのリズム運動は、「うつ」に効くらしい。
これも、どの書物にも載っている定型文だ。
当然、取り入れた。
6月、7月は、階段ダッシュを馬鹿みたいに繰り返したが、
そろそろ、ドキドキが無くなって来たので、今度は、走ってみようと考えた。
8月から、筋トレの次の日はジョギングの日と決めた。
参考にしたのはこれ、「仕事に効く、脳を鍛える、スロージョギング」by角川新書。
ジョギングは色々効果がありますよと、鬼のように羅列してるのだが、
その中で、注目したのは、
①最近もの忘れた多くなった
②気分が落ち込み、何もする気にならないプチうつ状態
③なかなか寝付けない
④ストレスが簡単に解消できる
などに効果的という項目だった。
この辺り、すっぽり当てはまる。
前頭葉を鍛えるために、夜寝られるために、ランニングを決意した。
スロージョギングは最近「Tarzan」でも取り上げられることも多いが、距離を
重視するのはなく、時間で走る距離を管理する。また、時速6~7kmを
目安に、会話ができるくらいのゆっくりとしたペースで走るのを、ポイント
としている。
早速形から入る私は、ランニングシューズを買いに、スポーツ店に行くと、
びっくりするくらいに、シューズ、ウェアなどのスペースが拡充されていた。
世の中どうもランニングブームらしい。そういえば、東京マラソンなど、
あれだけ人が集まるのは、うなずける。
とにかく、日本信仰の私は、シューズは「アシックス」と意味もなく決めていたの
で、new yorkを買った。かっこよかったので、何か気分があがる。
この後、筋トレと一緒で、ランニングアイテムが増えて行った。
[アシックス] ランニングシューズ GT-2000 NEW YORK 5 TJG946(17春夏モデル) 4101アイランドブルー/ホワイト 28.0
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早速走ってみた。正直、最初は、本当にきつかった。15分でもうバテバテだった。
それが、スローで走ること、フォアフット(かかとではなく、前足で着地)を
基本にするとあら不思議、どんどん、距離が伸びて行った。
1時間は余裕で走れるようになり、約8~10kmの距離を走るようになった。
走ってみて、気が付いたことがあった。ジョギングをしている人は三種類いる。
1.ちょっと中年や、年配の人が自分の健康のためにゆっくりと走っている人
2.高校生ぐらい、もしくは若者が、自分の運動能力を高めるか、来るべき大会に
備え、本気で走っている人たち。
そして、もう一種類。「明らかに、メンタル、体調に何らかの問題を抱え、
それを克服するために、走っている人」である。
ガンの手術をした人が、免疫を上げるために、ランニングを取り入れるというのは、
よく聞く話だ。しかし、それ以上に、メンタル(うつやパニック)に異常を抱えて
いる人たちも、かなりいると感じた。
それが、走っているとき、すれ違うとわかるようになった。
簡単な見分け方は、「おっさんで、よれよれのTシャツで、苦しそうに走っている人」これ、大体、うつ病の人。
すれ違うたびに、心の中で、「頑張ろうぜ」と励ましていた。
とにかく、これが、本当に「うつ」に効いたかどうかは分からないが、走り終わったときは、
すっきりした気にはなった。
こうやって、8月は過ぎて行った。
そして、休みが終わり、8月の終わりに仕事に復帰した。
なるべく、仕事は逃げるようにした。
もう職歴も、年齢も、ベテランの域に入っていたので、しんどいな~と思ったら、若手に振った。
さらに、以前は、「それなら僕がやってやりますよ」という自分で言うのも
何だが、仕事ができる一目置かれる人を演じていくために、度々押していた、
”男気スイッチ”をどこかに捨てた。
なるべく、なるべく穏便に過ごす。
そして、隙を見つけては、駐車場に置いてある自家用車で仮眠をとった。
文章にすると、明るい感じになるが、この時は本当に必死だった。
いつ、自分がいつ壊れるか、びくびくしていた。
夜も相変わらず恐怖だった。
そして、来たるべき秋を乗り越えようとした。そして、最初は、順調だった。
あの日が来るまでは。