8月からの恐怖
8月、徐々に不安感がなくなってきた。
それとともに、大好きな酒も徐々に飲み始めた。
しかし、最もしんどかったのは、明確な不眠症になったからだ。
”明確な”と書いたのは、それまでも、寝つきの良いほうでは決してなかった。
しかし、不眠症だと意識したのは、これが初めてだったからだ。
とにかく、夜が恐怖だった。
さらにしんどかったのは、マイスリーと、デバスを飲み始めて、2時間から、
三時間かかっても一応寝られたが、夜に覚醒するようになった。
特にひどいときは、90分ぐらいに1回覚醒するようになった。
6時間寝るとしたら、4回は覚醒した。
8月はほとんど年休で休んていて仕事の予定もないにもかかわらず、
寝られないというのは、自分をイライラさせた。
夜の恐怖と、朝の目覚めの不快感に、この1か月は地獄のようだった。
最も、恐怖だったのが、どう考えても、記憶力が異常になくなっている
ことに気が付いた。寝不足のためか、薬のせいか、顧客の名前が全く
出てこなくなった。明らかに、昨日まで呼んでいた名前が出てこなく
なった。
これには、焦った。
そして、調べてみると、やはり抗うつ剤や、
睡眠剤には、認知症のリスクが数倍高まるという記載を見つけたときは、
震えた。
そこで、6月から定期的に通っていた、心療内科の医者に相談した。
不安感はないので、薬をやめたい、しかし睡眠のほう途中覚醒をして
しんどいということを訴えた。すると人のよさそうに見えるお医者さんは、
にっこりと笑って、
もう少し効き目の長いやつを出しておきます。」
と言われた。
マイスリーは、睡眠導入剤のなかでも短期型で、効き目はすぐに来るが、
2~3時間しか持たないといわている。そこで、中期型のグットミン
という名前の睡眠導入剤を処方された。
8月22日のお薬手帳を振り返ってみると、
ジェイゾロフト50mg 2錠
トラゾドン(アメル)25mg 1錠
この薬の量を見て、さすがに愕然となった。この量を飲み続けるのは、
さすがにまずいだろうと思った。
そこで、まずは、どうも副作用として寝られなくしてる原因ではないか
と推測した(睡眠剤と間違えて飲んだ時、一睡もできなかった)、
ジェイゾロフト2錠を朝、1錠に変えた。
そして、どんなに覚醒しても、夜飲むのは、我慢してマイスリーのみに
した。(時々、夜1時まで寝られなかったらグッドミン追加)
8月に入り、それほどドキドキ感がなくなっていたのと、どうせ仕事はないのだから、押さえつける必要がないだろうと思ったからだ。
結果から言うと、だんだん少なくしていって、ジェイゾロフトは止めることができた。
また、デパスもこれ日以来、全く飲んでいない。
マイスリーだけなら、近所の内科で処方してもらえるのだから、心療内科に行く必要がなくなった。
そう、薬の量に恐ろしくなった、この日から心療内科にはいかなくなった。
また、同僚の受付のおねーちゃんの一言も、決意した理由だった。
受付の女の子とは、年も近いことがあって、冗談を言い合う仲だった。
「最近どう?なんか疲れている感じ。」と声をかけられたときに、
「うつ病なんだよね。パニック障害かもしれん。」と彼女に仕事仲間で
初めて告白した。
そうすると、普段の冗談ばかり言っている私には、そぐわないようで、
「うそ~(ワラ、ワラ、ワラ)」という感じだった。
そして、こう言った。
「私の友達に、パニック障害の子いるけど、その子は、店のレジに
並べないらしいよ。あと、うつ病の子も知ってるけど、
朝起きれなくなるらしい、伏せたまま何も動けず、涙があふれてくる
らしいよ。あなたどう?」
「普通あなたみたいに、うつ病だったら、絶対、うつ病のことを調べよう
としたり、改善しようと、努力しようとすることはないんじゃない。」
「おそらく、あなた更年期障害じゃない?女性ばかり注目されている
けど、男の更年期障害ってしんどいらしいよ。調べてみたら?」
きっぱりと気持ちの整理がついて、抗うつ剤は離脱した。
そして、さっそく、泌尿器科でそれが調べられるということで、
病院も予約した。